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日本版DMOにおけるインダストリー4.0の可能性




日本国内の各地域間の格差が拡大してから久しいが、その格差を埋めるべく地方創生が推進され、その一環として注目されているのがDMOと呼ばれる制度である。DMOとは、官民が幅広い連携を行って観光を推進するための法人組織のことであり、欧米ではすでに広く展開されている制度である。そこで、欧米に倣い日本でもDMO制度を導入し、「日本版DMO」の形成・確立を目指しているということである。

観光庁によると、日本版DMOとは、「地域の『稼ぐ力』を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する『観光地経営』の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人」(観光庁HP)ということだ。今のところこの定義や、観光庁が提供している各種の資料を見る限りでは「日本版」と謳うほどの日本独自の方法論などは見当たらない。とすると、ひとまずは欧米の事例などを参考に日本独自の方法を積み上げていくことになるのだろう。

下の図は、日本版DMOを取り巻く関係者の役割を模式的に表したものだが、これを見る限り、日本版DMOの役割は、これまで官民がそれぞれ独自に動いていたものを日本版DMOが中心となって横の連携をとり、地域一体としての観光地域づくりをしていくことである。「横の連携をとって、地域一体となった観光地域づくり」などの言葉は今まであらゆる場面で聞かれてきたフレーズのようで、目新しさは見当たらないが、重要なのはその方法論である。日本版DMOは登録制となっており、現在候補法人の登録がスタートしている。登録区分が「広域連携DMO」、「地域連携DMO」「地域DMO」と3区分に分かれているが、いずれの区分においてもマーケティングを行う組織であることが求められており、組織内にCMOchief marketing officer)が存在しているまたは確保する予定であることが要件となっている。

ここで必要となるのは、日本版インダストリー4.0とも言われる「Connected Industries」の技術の活用である。AIIoT、ドローン、ロボット、シェアリングエコノミーなどの技術が「Connected Industries」にあたる。これらの技術は観光に産業にとって非常に有益となる可能性を持っている。例えば、外国人観光客への対応を考える場合、まずどこの国・地域の人が多いのかの調査をし、言語対応を考えなければならない。その際有効なのがビッグデータの活用だ。各SNSで発信されている膨大なデータからどこの国の人が自分の地域に訪れたのか、そして、何をしに来てどういう感想を持ったのかまで調べることができる。行政主導の場合は、特定の国の観光客が多い場合でもその国のみへの対応が難しいのであろうが、多言語対応ができる人員を適正配置することが可能だ。直接対面により言語対応できる人材がいない場合はAI・ロボット・チャットボットの活用も考えられる。

また、決済手段もその国々の事情に合わせる必要がある。クレジットカード対応はもちろんだが、「Apple Pay」や、中国人観光客が多い場合には今後日本でも普及する可能性がある「Alipay」による決済も視野に入れるべきであろう。また、ビットコインなどの仮想通貨への対応も有効な手段である。地域創生の一環として地域通貨の流通を検討している地域であれば、その地域通貨の応用も考えられる。このようなフィンテックの活用も日本版DMOに求められる技術である。

日本版DMOでは、マーケティングとその結果への対応、そしてプロモーションが求められるが、その中でのインダストリー4.0の可能性はとても広がっていくものであり、いち早く新しい技術・サービスを取り入れることで先進的な観光地としても注目されるのではないだろうか。

更新日: 2017年11月12日 15:39

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