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「ミレニアル世代」という言葉をご存じだろうか。唱える人によって少しずつ定義は異なるようであるが、2000年代初頭に成人・社会人になった世代、もしくは1980年代から2000年くらいまでに生まれた世代のことをさす言葉である。ミレニアル世代は、物心ついた時からパソコン・携帯電話などが身の回りにある、いわゆるデジタルネイティブであり、新しい考え方を持った世代であるといわれている。

このミレニアル世代の特徴の一つとして、物を所有するよりもシェアし利用することを好む傾向があるということが知られている。最近シェアハウスが人気となっているのもミレニアム世代の趣向の現れと言っていいだろう。住まいに限らずシェアリングサービスは幅広く展開されてきており、民泊やカーシェア、ライドシェアなどの市場も拡大している。その中でもブランド品のシェアサービス(レンタル)が注目を集めている。

ブランド品のレンタルの場合、月額でいくらという金額設定となっており、ネットで注文する形態が多いく、例えば、老舗の『ORB』では、バッグのコンディションやランクごとに5コースが設定されている。契約期間内であれば何回でも交換が可能であり、届いた商品が気に入らなかった、使っているうちに飽きてしまったという場合にもすぐに商品を返送し、他の商品と交換することができる。

また、ブランドレンタル大手の『ラクサス』ではBtoCだけではなく個人間の貸し借りを仲介する『Laxus X』というサービスを展開している。ブランド品をすでに所有している人がブランド品を貸し出すことによって収入を得られる仕組みだ。

利点が多いブランド品のレンタルサービスではあるが、サービス業者側のオペレーションの問題は多い。需要が増えるにしたがって発送・検品などの作業も増え、商品のメンテナンスにもさらに注意が必要になる。また商品を偽物とすり替えられるなどリスクやコストへの対応が必要不可欠である。過去にブランド品などの質屋業大手の『大黒屋』がブランドレンタルサービス業に参入したが結局撤退してしまった事例もある。一方利用者側から見ると、送料が利用者負担となっているケースが多いため過度な利用には気を付けなければならない点はあるが、偽物を買ってしまうリスクや保管コスト等をサービス業者に転嫁できることを考えると非常に便利なサービスだといえよう。

政府では、成長戦略の一つとしてシェアリングエコノミーの促進を掲げている。平成2811月には、内閣官房IT総合戦略室内にシェアリングエコノミー促進室が設置され、積極的な情報提供や相談窓口の機能を果たすなどの活動を行っている。メルカリが株式市場に上場したことで話題になったが、メルカリのように売買ではなくレンタルという身軽さはシェアリングエコノミーへの利用者の参入を容易にさせている。日本経済の成長ドライバーの一つとして、シェアリングエコノミーの拡大に期待するとともに、既存の資産の有効な再利用(リユース)という意味でも、ブランド品のシェアサービス市場の成長が楽しみである。

HDC編集部 志塚洋介