【feature】「腸活」はどのようにして美容健康業界のメガトレンドになったのか?

「腸活」はどのようにして美容健康業界のメガトレンドになったのか?

最新情報と今後の展望

 

進化する「腸活」

「腸活」は、免疫力の向上、ダイエット、ストレスケア、睡眠のカテゴリーでも需要を伸ばし、美容健康業界では大きなトレンドとなっている。整腸作用に訴求するシリアル、乳酸菌、ビフィズス菌、酵素など食品、飲料群が「腸活」の主力商品として堅調推移してきたが、2021年頃より善玉菌の増殖、活性化に着目したプロバイオティクス、プレバイオティクス、さらに腸内細菌の代謝産物にフォーカスしたバイオジェニクス、ポストバイオティクス、シンバイオティクスなどが台頭。短鎖脂肪酸、酪酸、レジスタントスターチ、腸活の概念を覆すトリプル・シンバイオティクス®(開発・販売 株式会社フローラプラス)など、機能訴求を掲げた「腸活」プロダクツが急増し、異業種、ベンチャー企業など新規参入プレイヤーも増加傾向にある。

一方、消費者の「腸活」動向に目を向けてみると、日本インフォメーション株式会社が2023年8月に実施した「腸活」の認知・実施状況報告(20~69歳の男女対象)では、「腸活」認知者は77.3%、「腸活」実施経験ありが31.7%で、「腸活」認知者の約4割が「腸活」の実施経験があることがわかった。また、性別では男性が19.4%、女性は23.2%、性年代別にみると、男女共に60代では他の年代を上回った。さらに、「腸活」の現在実施者に対し「腸活」の実施期間を確認したところ、男女共に「新型コロナウイルス」の感染拡大以降に「腸活」を開始した人の割合が多く、「3年未満/計」が5割を占めた。「腸活」現在実施者に「腸活」を目的として摂取している食品を確認したところ、全体では「ヨーグルト」が57.3%で最も高く、以下、「納豆」(39.4%)、「乳酸菌飲料」(32.9%)の順となっている。また、最も効果を感じているものとしても「ヨーグルト」が23.5%で最も高く、他の食品を大きく上回った。

※「日本インフォメーション(株)調べ」

 

「腸活ブーム」の火付け役

そもそも「腸活」とは、腸内環境を整えて健康的な体を目指す活動のことで、ブームの発端は2014年頃のデトックス、ファスティングブームに遡る。欧米の健康食品市場で、健康に良い食品を毎日取り入れ体重をコントロールする「ナチュラルヘルシー」と「ウェイトウェルネス」が2大トレンドとなり、ブラン、シリアルなど食物繊維が人気に。同時期に国内でも「国民健康・栄養調査」で現代人の食生活に食物繊維が不足していることが指摘され、これを機に食物繊維を積極的に摂取する健康意識が浸透。食物繊維(ファイバー)を摂取して、毒素・老廃物を便と一緒に排出することで、ダイエットや美肌を実現しようという「ファイバーデトックス」が流行した。その後、乳酸菌、ビフィズス菌、発酵食品など「菌」を積極的に体内に取り入れ腸内環境を整える「菌活」がブームに。その後、2019年の新型コロナウィルス感染拡大を背景に、免疫細胞の約7割が集まる腸がフォーカスされ、「腸活」関連製品が続々上市され大きなムーブメントとなった。

進化する「腸活」今後の展望

人の腸は小腸が約6メートル、大腸は約2メートルで、その中に1,000種類以上、100兆個以上もの腸内細菌が生息し、善玉菌、悪玉菌、日和見菌が共存(腸内フローラ)しバランスを取っている。そのバランスは3~5歳で決まると言われ、食生活や運動習慣、年齢、ストレス、抗生物質の服用など様々な要因で変化する。

「腸内フローラ」の研究はここ数年で急激に進み、遺伝子レベル、分子レベル、細胞レベルに至り、脳腸相関、筋腸相関など様々な論文も発表されているが、まだまだ発展途上であると、「腸内細菌」をテーマに動物と人の垣根を超えて「腸活」啓蒙活動をする東京動物アレルギーセンター長 獣医博士 川野氏は話す。今後腸内細菌の病態解明が進めば、腸内細菌叢をタイプ別に分類したプロダクツや創薬の誕生もあるのではと予測している。

一般消費者の「腸活」関心度も年々高まっているが、リテラシーは高いとは言えない。腸活メニューを提供する「pallet Café」オーナーの渡井氏は、自分の体と向き合わず、巷で良いとされる腸活製品をやみくもに摂取する人が多いと指摘する。また、腸活は自分に合ったものを見つけ長く続けることが大切であり、ブームである昨今では腸活実施者も増えているが、次代トレンドが台頭すると腸の大切さが忘れられ腸活を終えてしまうことが懸念されると「ハーブティー腸活素美人」販売会社an-napの安藤氏。

腸活市場を見ると腸活に関連するヘルスクレームの登場や、機能性食品表示食品の新規投入などで男性や若年層に向けた需要開拓も進み、機能訴求のサプリメントも続伸。今後、腸内フローラの研究躍進に合わせ、腸活を基にしたエイジングケア、脂肪対策を訴求するプロダクツの登場や、生活者への認知度向上に向けた様々な取り組みも進むと見込まれ、「腸活」トレンドは継続拡大すると推察する。

 

「人医学と獣医学との垣根を越えて健康に役立ちたい」

東京動物アレルギーセンター長 獣医博士/日本獣医皮膚学会 認定医/藤田医科大学医学部消化器内科 客員講師 川野浩志 氏

 

「犬と猫のアレルギー性皮膚疾患に対して統合医療という医療体系を軸に根治療法に挑戦し続けること」をミッションに、「ペットの腸活」第一人者としてアレルギー性皮膚疾患や腸管免疫の臨床研究に邁進する川野氏は、「腸内細菌」をテーマに動物と人の垣根を超えて美容、アンチエイジング、認知症と腸内細菌の関係「脳腸相関」など全国で講演を行っている。

同氏は臨床現場で犬や猫のアレルギー性皮膚疾患に対し、抗微生物戦略となる糞便移植やオーダーメイド乳酸菌の投与を獣医医療に応用。腸内細菌の中で良い細菌が何であるかを探究し、効果のある乳酸菌を発見し論文を発表。良い乳酸菌とオリゴ糖をセットにして食べさせると、アレルギー症状が劇的に改善したことを目の当たりにして歓喜興奮したという。

腸活はここ数年で研究が急激に進み、全ての病気が腸に関わってきていることがわかってきている。抗がん剤の効く・効かないも腸内細菌で左右されることがわかってきた。認知症においても、アルツハイマーのマウスの糞便を若いマウスに食べさせると記憶障害になることも確認されている。この先も腸活はブームに終わらず、腸活の中で進化を続け安定カテゴリーになると予測する。腸内細菌を整えることがいかに大切か、そして腸内細菌を邪魔する存在(口腔内細菌、添加物など)を避けることの重要性を数年前から着目し研究を深めると共に、美腸スクールを開講し「腸活」の意識、知識を深めるための活動を行っている。

 

「時代は「CURE」より「CARE」、自分を大事にするためのサプリメントを」

株式会社フローラプラス

公式/発酵マメ子-短鎖脂肪酸を含む517種の腸活成分 (flora-plus.co.jp)

腸に直接栄養を届けるをコンセプトに、善玉菌と善玉菌のエサとそれらが発酵してできる栄養成分の乳酸菌生産物質の3つから成るトリプル・シンバイオティクス®を主成分としたサプリメント「発酵マメ子」シリーズが、女性誌など多数取り上げられ好評だ。

開発のきっかけは薬剤師さんの一言だったという。「薬局には体が悪くなってから来局するが、悪くなる前に自分で体調を気づかい整えていけないものか?」。腸活が病気予防に重要であることに着目し、薬ではなく病気予防のためのサプリメント、自分を大事にするためのサプリメント開発、販売をスタートさせた。

同製品は腸にダイレクトに届くとして話題の「バイオジェニックス(乳酸菌生産物質)」を配合し、さらに21種のビフィズス菌・乳酸菌(プロバイオティクス)、発酵させた大豆オリゴ糖・食物繊維(プレバイオティクス)を含有させたトリプル・シンバイオティクス®として業界内外から注目が集まる。

シリーズにはお客様の意見を反映したタブレット、フローラゼリー、エクオールプラス、セルズケアの4タイプが揃い、体調改善を報告する喜びの声が寄せられている。ここ数年で腸活サプリメント開発企業が急増しているが、プレイヤーが増えれば増えるほど腸活が広まり、多くの消費者の認知度も上がる。ユーザーは圧倒的に女性が多く、今後は男性にも浸透して欲しいと話す。

腸活の基本は、善玉菌(プロバイオティクス)に、善玉菌のエサ(プレバイオティクス)となる成分が腸内に入り発酵することで乳酸菌生産物質が生成され、免疫の活性化、腸内細菌バランスを整えることだが、食生活や加齢などが原因で現代人の腸では乳酸菌生産物質は作られにくいとされており、腸活関連製品はアップデートされ市場規模は拡大傾向にある。

 

「減量コントロールから生まれた腸活メニューを提供」

Palette café

ぱれっとカフェ | ネイルサロン COLOR’S NAIL【富士市・富士宮市・三島市】 (colors-nail.net)

 

2021年にオープンしたPalette caféは、腸活フレッシュスムージー、腸活プロテイン、腸内環境改善スイーツ、発酵玄米プレートなどが提供され、別名「腸活Café」と称されている。カフェコンセプトは「発酵調味料で作る無添加ごはん・カラダとココロの源・ごはんは未来の自分への投資・腸内環境を整えて美肌・美ボディに」。

厳選された食材を取り寄せ、サラダ油や白砂糖は使用せず、良質な油、甜菜糖、自家製甘酒、自家製発酵調味料などで腸活ニューを自ら作り提供するオーナーの渡井博子氏だが、静岡県内でネイルサロンやネイルスクールを経営すると共に、40歳からボディビルを始め数々の賞を受賞。ボディビルでの体脂肪減量コントロールに苦しんだ実体験から心身のバランス、健康な体づくりに、食と腸内環境がいかに重要なのかを確信し、サロンのお客様や地域の方の健康に役立ちたいと考えカフェ開業に至った。カフェの2階にはネイルの他、男性向けの美容メニューも取り入れたサロンを兼ね備え、未来の自分の美と健康へと意識を向けさせてくれる。

近年、急にブームとなった「腸活」について、ヨーグルトやサプリメントを簡単に摂れば良いなど、うわべだけ知る人が多いと警鐘を鳴らす。ネイルサロンのお客様で足のむくみがひどかったり、低体温であったり健康的に良くない状態に慣れ、それが正常だと思っている方も多い。先ずは現状の自分を知ること、自分には何が足りていないのかなどバランスを知ること。その先に腸内環境があり、巷で腸活に良いと言われているものでも自分に合わないものは摂らないことがポイント。腸活も美ボディも美肌もバランスよくコツコツと、歯みがきのように日々の習慣の中に入れていく意識と知識を持つこと大事だと話す。

 

「医療・福祉の現場30年の経験を活かし人に役立つ腸活製品をローンチ」

an-nap

an-nap – 腸 活 素 美 人

 

看護師、ケアマネ―ジャーとして30年勤務の後、次のステージは個人として健康分野で人に役立つことを目標に、構想3年をかけ完成させたハーブティー「腸活素美人」。商品を企画販売するan-nap店主の安藤由香氏は、医療・福祉に携わる中で、高齢者の便秘を身近に感じることも多く、高齢者以外でも便秘で悩み下剤、整腸剤に頼る人が多く見受けたという。30年間の勤務を全うし、次の人生ステージで人の役に立てることは何か?を考えた時、これまで心臓、脳、血液はフォーカスされてきたが、その全てに関わる腸こそ要であることが世の中に知れ渡っていないことに気づき、腸にアプローチする商品開発をスタートさせた。

厳選されたハーブに3種類の腸活有効成分をブレンドし、日常のティータイムを楽しみながら腸内環境を整えていく腸活製品とし、口コミが徐々に広がり販売実績は堅調推移。ユーザーは意外にも高齢者や男性が多い。

腸活によって、便秘改善、美肌ケア、ダイエット、免疫ケア、心が前向きになるなど、得られることが多くある。今はブームで腸活関連商品が増加し世の中に広まっているが、ブームに関係なく「腸」は人の体にとって重要な臓器であるという認識を高め維持して欲しいと話す。

 

 

 

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